Twitterでもメーカーの営業職ってなにをするんですかって質問がよくきます。
正直一言では答えられません。営業といっても業界や企業によってそのスタイルが異なるから。
そこで今回は
・メーカーの営業で知っておくべき点
・メーカーの営業の仕事内容、特徴
この2点を話していきたいと思います。
Contents
メーカーの営業について知っておくべき点
メーカーの営業とはいってもそのスタイルは様々です。
メーカーの営業とはなにか知る上で押さえておきたいポイントがあります。
それは3つ。
- 顧客が企業か消費者か
- 既存顧客か新規顧客か
- 誰と協力するか
メーカーの営業を知る上での手がかりはこの3つです。
顧客が企業か消費者か
その企業は製品を誰に売っているか。
顧客の違いで営業の仕事は大きく変わります。
顧客の違いで企業はBtoB企業、BtoC企業に分けられます。
企業に自社製品を売る企業
→→BtoB企業
消費者に自社製品を売る企業
→→BtoC企業
営業職はまずその企業がBtoBかBtoCかで業務内容が大きく異なるので理解しておきましょう。
今回もこの分け方でメーカーの営業について話していきます。
既存顧客か新規顧客か
顧客が自分とどういう関係かということも営業の仕事に関係します。
顧客との関係には
・普段から付き合いがある
・まだ取引をしたことがない
この2つのパターンがあります。
普段から付き合いのある顧客に対する営業活動ををルート営業とか言ったりします。
それにたいし、まだ取引をしたことのない顧客に営業をかけることを新規営業と言います。
はじめて知り合った人と仲のいい友人では振る舞い方やコミュニケーションの方法が異なるように、新規顧客への営業と既存顧客への営業ではそのスタイルが大きくことなります。
誰と協力するか
メーカーの営業を知る上で必要な情報は、顧客だけではありません。
もちろん取引をするのは顧客と自分(営業)ですが、その他に様々な関係者が関わっています。
それは自社の開発職など理系の方々かもしれませんし、商社など社外の人かも知れません。
ただ一緒に付き合う仕事仲間ですから、「誰と仕事をするのか」というのは知っておくべきでしょう。
BtoBメーカー営業の仕事内容
BtoBメーカーの営業職の社員は、担当する商材が決められて、その商材の供給先となる企業の担当者と取引をします。
顧客と交渉する内容は主に
価格・納期・仕様の条件(品質)です。
簡単に言うと、いつ・いくらで・どのくらいの量の製品を供給するのかということを担当者と交渉します。
また、場合によっては新たな製品を提案したり、顧客のニーズに合わせて提供する製品の組み合わせを変えたりします。
特定の商材にこだわらず顧客のニーズに合わせて柔軟に提供する営業のことをソリューション営業といったりもします。
そしていつ、いくらで、どれくらい製品を供給するかということは営業だけの問題ではありませんよね。
実際に製品を開発し生産するのは理系の職種の社員です。
そのため、技術部・生産管理・調達・生産技術など各部署との調整を行なうことも営業職の仕事です。
時には納期を早めるために無理なお願いをしなければならないことも。そんなときに彼らを説得できるかどうかも営業の腕にかかっています。
また、新たな製品を既存顧客に提案しにいったり、全くの新規顧客のもとにアポをとって営業に赴くというパターンもあります。
BtoBメーカー営業の特徴まとめ
これで基本的なBtoBメーカーの営業の業務についてある程度知ってもらえたかと思います。
では、業務も踏まえてBtoBメーカーの営業にはどんな特徴があるかまとめていきます。
- 既存顧客への営業が多い
- ノルマは厳しく問われない
- 商社マンと関わりがある
- 理系部門との共働が不可欠
既存顧客への営業が多い
BtoBメーカーの営業の特徴の1つは、既存顧客への営業(ルート営業)が多いことです。
これは、「顧客の数が少ない」、「取引が長期に渡る」
この2つが理由となっています。
当然のことですが、顧客は「企業」であり、その数は少ないです。
そうなると自社の製品を提供できる可能性のある顧客の数も必然的に少なくなります。
また、企業同士の取引はその契約期間が長いです。
一度契約してしまえば取引が長期間安定的に続くのです。そのため、無理に新規開拓をする必要もないのです。
顧客のもとに何度も出向いて無理に製品を売り込みに行くといったことは比較的少ないです。
これがBtoBメーカーの営業がホワイトだとか楽だとか言われる理由です。

ホワイト企業に入りたいという人はBtoBメーカーがおすすめとも言えます。その理由も上の記事にまとめています。
ノルマは厳しく問われない
営業ってノルマきつそうだよね
そのイメージはありますね。
しかし、BtoBメーカーの営業はノルマが厳しくありません。
一応ノルマというものは存在しますが、それを達成できなかったからといって詰めまくられるわけでもなければ給料が減るなんてこともありません。
企業間取引である以上、営業1人の力量ではどうにもならないことが多いからです。
景気とか為替などが影響する場合、自分ではどうしようもないですよね。
商社マンと関わりがある
理系の社内関係者以外に関わることの多い人は商社マンです。
これは、化学メーカーや素材メーカーの営業ではよくあることです。
BtoBメーカーのなかでも顧客の数が多いと商社マンの出番です。
どんな時に商社マンが必要なのか。
たとえば、自社製品の販路を広げたいとき。
こういうときは商社に頼んで販路を開拓してもらいます。
また、あまり太客でない顧客との付き合いを商社に任せるといったこともあります。
BtoBメーカーのほうも太客の方に時間をかける方が楽で効率がいいわけですから、商社に任せられるところは任せます。
理系部門との共働が不可欠
先ほども言いましたが、社内関係者との協力が営業には欠かせません。
製品を開発したり、生産するのは理系職種の社員ですから、彼らとの関係構築はビジネスを円滑にすすめる上では重要です。
だからBtoBメーカーの営業が楽と言われているとはいえ、コミュニケーション能力、そして彼らを納得させる論理性や熱意が必要になります。
そういった周囲の関係者を巻き込む力をアピールできるといいでしょう。

逆に、人付き合いが苦手な人にとってはBtoBメーカーの営業であってもつらいと思われます。
BtoC メーカー営業の仕事内容
次にBtoCメーカーの営業について見ていきましょう。
BtoCメーカーってどんな企業があるの?とかどんな特徴があるの?という疑問がある方は以下の記事をごらんください。

BtoCメーカーの営業とはいっても、直接消費者に商品を売り込むわけではありません。
消費者に直接商品を売るのは「小売店」です。
食品メーカーならコンビニ、スーパーなど
飲料メーカーなら居酒屋、スーパー、コンビニなど
化粧品メーカーなら百貨店、ドラッグストアなど
一般的に私たちがどこでその商品を買うか考えると分かりやすいと思います。
そしてBtoCメーカーの営業が取引先として持つのも、この小売店であることが多いです。
たとえば、食品メーカーの営業であれば、コンビニやスーパーなどの社員の方が顧客となります。
そして業務としてイメージを持つ人がおおいのが「商品を売り込むこと、店舗においてもらえるように頼むこと」
これはもちろんあります。そのために取引先のもとにいって話を何度もしに行ったり、一緒に飲みにいったり。
やり方は人それぞれかもしれませんが、泥臭い仕事になることもあります。飲料メーカーであったり食品メーカーは特にそうですね。
営業は、その人達に自社商品の売り方、売り場のレイアウト、店頭でのPR方法などを提案します。
また、場合によれば、業務用商品の営業を行うところもあります。
BtoC メーカー営業の特徴まとめ
BtoCメーカーの営業の特徴は以下の4つです。
- 全国転勤がある
- 結構泥臭い
- 体育会系がおおい
- マーケティングの部署への王道ルート
全国転勤がある
BtoCメーカーは販売店を全国各地に持っています。
コンビニやスーパーが全国にあることからも想像はかたいかと思います。
そして食品メーカーや飲料メーカーであれば、全国の支店を転々とすることになります。
ただ年次を重ねるごとに統括するエリアが広くなり、わざわざ自ら出向くような仕事でなくなると本社勤務に落ち着くことが多いです。

転勤の有無や転勤の少ない企業や業界について上の記事でまとめているのでそちらもぜひ。
結構泥臭い営業
先ほども少し触れましたが、BtoCメーカーの営業は結構泥臭い部分も多いです。
提案営業とはいっても、顧客との関係構築ができていなければその提案あどんなに素晴らしくても受け入れられません。
なんせ相手居酒屋の頑固な親父さんかもしれませんしね。
そういった相手に対して熱意をもって接し、無事取引相手として迎えることができればその分喜びは大きいです。
これはつらいことでもあり、やりがいでもあるのです。
体育会系がおおい
BtoCメーカーの営業はその特徴上、足を使うことも多いです。
担当エリアの店舗を1件1件まわるような人もいると思います。
そこで必要となってくるのは知能だけではありません。
体力です。
体力的に楽じゃないという場合もあるんです。
じゃあそういった負荷に耐えられるのは誰か。
それが体育会系なんだね!
飲料メーカーや食品メーカーの営業など体力も必要な仕事には体育会系が多いです。
マーケティング部署への王道ルート
マーケティングの部署というのは、消費者のニーズを調査し、それに沿った商品企画からその売り方までを考える花形の部署です。
誰もがよく知ることになるであろう商品を企画するということでそのやりがいは非常に大きいです。
こういった部署に行くのは営業で経験を積んだ人です。
営業はある特定地域や店舗において商品をどう売っていくか考えるという、よりミクロな仕事です。
それに対し、マーケティングは企業として商品をどうつくり、どう売っていくか考えるマクロな仕事です。
ただ、マーケティングをやるにあたっても顧客理解は重要です。顧客をちゃんと理解していない人がいきなり商品を企画するのは不可能です。
そのため、若いうちは営業として、現場で顧客の購買行動を間近で見ることが必要とされるんですよね。
森をみるためにまず木を見よということですね。
まとめ
以上、BtoCとBtoBに分けてメーカーの営業の説明をしていきました。
もちろんBtoBメーカーの営業といっても、業界や企業によって細かい違いはあります。
BtoCメーカーの営業もしかり。
今回はざっくりとメーカーの営業について知っていただけたらと思い記事にしました。これを機にメーカーの営業に興味を持っていただけたら幸いです。